©SKnet corporation
ニンテンドースイッチ(以下、スイッチ)でのゲーム実況動画を録画したい人向けに、スイッチの録画に使えるキャプチャーボード『MonsterX U3.0R』の特徴・注意点と動画配信の流れを紹介します。
順番としては、
- スイッチのゲーム実況に必要なキャプチャーボードの条件
- 『MonsterX U3.0R』の特徴(メリット)
- 『MonsterX U3.0R』の特徴(デメリット)
の流れで説明します。
なお、スイッチのゲーム実況に必要なキャプチャーボードの条件については、
当然MonsterX U3.0Rは全て満たしています。
ただ、これを知らないで他のキャプチャーボードを買った場合、
『買ったけどそもそも使えない』という悲劇が起きる可能性があるので、
背景知識として先に説明していきます。
- キャプチャーボード詳しいよ!
- スイッチに必要な条件とか知っているよ!
というかたはMonsterX U3.0Rの特徴の項目まで読み飛ばし推奨です。
ニンテンドースイッチのゲーム実況に必要な条件
- (絶対条件)HDMI接続であること
- (生放送するかもしれないなら)ソフトウェアエンコーダーであること
- (高画質で配信したいなら)1080p/60fpsの録画対応していること。
ここだけみると『なんだこれ?』と思うところもあると思いますので、これからさっくり説明していきます。
条件① HDMI接続であること
HDMI接続に対応していることは絶対条件です。
理由は、ニンテンドースイッチがHDMI接続しか対応していないからです。
キャプチャーボードはコンポーネント接続(赤色、青色、緑色の線のやつ)しか対応していないものもありますが、あれはダメです。
■(参考)コンポーネント接続端子
条件② ソフトウェアエンコーダーであること
ソフトウェアエンコーダーであることは生放送(ライブ配信)をする場合はかならず必要です。
では、このソフトウェアエンコーダーとはなにか。
これを知るには、すこしだけ動画キャプチャの仕組みを知っておく必要があります。さくっと読んで下さい。
■動画キャプチャの仕組み
- ゲームの動画をキャプチャボードで録画する。
- そのデータをPCに送る。
- 上のキャプチャボードで録画したままのデータではデータ量が大きすぎるので、データを圧縮(エンコード)する。
- 圧縮した録画データをPCに保存する。
上の流れで言う3番のデータ圧縮(エンコード)をPCで行うものがソフトウェアエンコーダーです。
反対に、キャプチャボードでするデータ圧縮(エンコード)するものをハードウェアエンコーダーといいます。
それぞれ特徴(メリット・デメリット)は次の通りです。
■ソフトウェアエンコーダーの特徴
【メリット】
PCでのゲーム画面⇔実際のプレイ操作間でのタイムラグが少ない。
【デメリット】
PC側でエンコード(データ圧縮)するので、高画質の動画を撮る場合、PCにも相応のスペックが要求されます。
■ハードウェアエンコーダーの特徴
【メリット】
データ圧縮(エンコード)をキャプチャーボードで行うので、PCのスペックがあまりよくなくてもゲーム動画の録画ができます。
【デメリット】
キャプチャーボードでエンコード(圧縮)までするので、PCにデータが送られてくるまでに時間がかかります。結果としてタイムラグがかなり発生します。
それぞれメリット・デメリットあるが、ライブ配信(生放送)する可能性があるなら、ソフトウェアエンコーダー一択です。
タイムラグが少ないからです。
実況と実際のゲーム画面にタイムラグがある動画なんか見たいでしょうか?
たとえば格闘ゲームでタイムラグがあるとこんな実況動画になります。
- 強敵とのバトル。
- 実況者も相手もお互いに体力が減り、勝つか負けるかぎりぎりになる。
- 視聴者も『どうなるか』とハラハラ見守る。
- そんな相手との最後の接触前。突然「勝ったー!やりました!」と実況が入る。
- 視聴者、ポカーン。
- そのあとに相手が倒れる動画が流れる。
説明の必要もないかもしれませんが、タイムラグにより画像が遅れ、実況者の音声だけが先に届くことによっておこる現象です。
こんな動画を見たら、視聴者は興覚めもいいところでしょう。
だから生放送・ライブ配信するならソフトウェアエンコーダー一択になります。
なお、生放送を「やるかどうかわからない」って場合は、やる可能性があると思っておけばいいんじゃないかな。
あとで「やってみたい」と思っても対応していないと色々大変なので。
【補足1】
ソフトウェアエンコーダーは高画質の動画を撮るには相応のPCスペックが必要という点があるが、PCのスペックが足りないときは画質を落とせばいいと思います。
画質を落とさざるを得ないのは残念ですが、タイムラグが起きるよりはだいぶましです。
【補足2】
ライブ配信しない場合でも『ハードウェアエンコーダー』かつ『パススルー機能がない』というキャプチャーボードは絶対にダメです。
タイムラグが酷すぎてゲームになりません。
※パススルー機能
ゲームのプレイ画面を、PC以外にTVにも出力する機能です。
これがあればPC画面ではタイムラグがあっても、TV画面はラグがなく表示されるので、快適にゲームが出来ます。
条件③ 1080p/60fpsの録画に対応していること
1080p/60fpsの録画に対応していると、
『フルHDの高画質』かつ『ぬるぬる動く』動画が撮れます。
- 1080p:フルHD画質の録画
- 60fps:1秒間に60コマ録画
※fpsはフレームレート(1秒間当たりのコマ数)のこと。
『MonsterX U3.0R』は1080p/60fpsにも対応しています。
これに対応しているキャプチャーボードはあんまりないので貴重です。
ただ、PCのスペックがある程度高くないと、この1080p/60fpsでの録画はきびしいです。PCでのデータ圧縮(エンコード)が間に合わなくて、データが欠損したりします。
PCの推奨スペックについては各メーカーのHPに書いてあります。
『MonsterX U3.0R』のものを参考までに載せておきます。
©SKnet corporation
なお、このスペックがない場合は、録画の質を1080p/60fpsから720p/30fpsなどに一段階落とせばいいです。
動画の画質は落ちるが720p/30fpsならたいていのPCで問題なく録画できます。そして720p/30fpsでたいていの場合、問題はありません。
■720p/30fpsで問題のない理由
画質とフレームレートそれぞれについて説明します。
【720p(画質)について】
見たほうが早いので、比較動画を載せます。
この動画を見て、「1080pじゃないとだめだ!」という人以外は720pで大丈夫です。
なお、Youtubeでの再生画質は自動調整だと360pや480pになります。
下の比較動画をみるときは画面右下の歯車マークを押して、最高画質の『1080p』に上げてから見て下さい(※スマホだと選択の余地なく480pくらいに落とされるかもしれません)。
まぁ、Youtubeでの動画視聴の画質が自動で480や360になってしまう時点で、よっぽどこだわって視聴してくれている人以外、録画が1080pだろうが720pだろうが視聴段階で画質は落ちてしまうので意味ないという話もあります。
【30fps(フレームレート=コマ数)について】
これも動画を見たほうが早いです。
おれは全然気になりませんでした。
ニンテンドースイッチの録画に必要なキャプチャーボードの条件まとめ
ここまでで、キャプチャーボードには次の条件が必要ということを書きました。
- (絶対条件)HDMI接続であること
- (生放送するかもしれないなら)ソフトウェアエンコーダーであること
- (高画質で配信したいなら)1080p/60fpsの録画対応していること。
重要なのは、HDMIとソフトウェアエンコーダーであることです。
書いておいてなんですが、動画配信において1080p/60fps対応は現状ではそこまで重要ではないとおれは思っています。
『1080p/60fpsは今後動画配信サービスの性能が上がったときのために必要な機能』と思っておけばよいと思います。
キャプチャーボード『MonsterX U3.0R』の特徴と注意点
ここから、『MonsterX U3.0R』の特徴をメリット、デメリットにわけて説明します。
【メリット】
- ニンテンドースイッチの動画配信に必要な機能を網羅
- 機能のわりに手頃な価格
【デメリット】
- USB2.0に対応していない
- PS3やVitaの録画にはむかない
- PCのスペックが足りないと高画質録画は困難
特に、USB2.0に対応していない点は、いま使っているPCによっては致命傷になります。
無駄な買い物をしないよう、購入前に必ず確認してください。
MonsterX U3.0Rのメリット
メリット① スイッチの動画配信に必要な機能を網羅
これまでにもちらっと説明したが、MonsterX U3.0Rは
- HDMI接続
- ソフトウェアエンコーダーであること
- 1080p/60fps
- パススルー機能(TVへの出力機能)
といった機能をすべて揃えています。
また、動画キャプチャボートとして有名(※)なので、なにか起きてもググれば解決策がほぼ見つかるのも大きなポイントです。
※おそらくニンテンドースイッチの録画に必要な機能を備えたキャプチャーボードとしては1,2を争うくらい売れています
メリット② 機能の割に手頃な価格
ここまでに記載した機能を備えているわりに、けっこう安いです。タイミングにもよるが、amazonでだいたい2万円弱です。
MonsterX U3.0Rとよく比較される『GC550』より2割ほど安い。
このため「とにかく手頃な価格でニンテンドースイッチの動画配信をしたい!」というかたにはおすすめです。
『MONSTERX U3.0R』のデメリット
デメリット(購入前の確認事項)① USB2.0に非対応
『GC550』のUSB接続は、USB3.0という規格にしか対応していません。
いまお使いのPCがかなり古い場合は、USB接続の規格を確認してください。このポイントをクリアしていないと、そもそもPCと『MonsterX U3.0R』を接続できないので、買う意味がまったくなくなってしまいます。
■USB接続規格の確認方法
USB接続規格を確認する方法として一番簡単な方法は、PCのUSB接続口を見ること。
青色だったら、9割方『USB3.0』です。
■USB3.0
■USB2.0
ただ、これだと100点にはなりません。
やんちゃなメーカーはUSB3.0なのに接続口を青色にしていなかったりすることがあるためです。
そのため、次にPCでデバイスマネージャーを開いてください(※)。
※Windowsキー+Xボタンを押して開く画面でデバイスマネージャーを選ぶ。
そうして開いた画面で『ユニバーサルシリアルバスコントローラー』を開きます。
すると、次のように『USB 3.0』などが記載された名前が表示がされているはずです。
ここに、USB3.0~と書いていない場合は、残念だが『MonsterX U3.0R』は使えません。ほかのキャプチャーボードを検討して下さい。
USB3.0~と書いている場合は問題ありません。『MonsterX U3.0R』と接続することができます。
デメリット(購入前の確認事項)② PS3やVitaの録画には向かない
PS3などには『HDCP』というコンテンツが不正にコピーされるのを防止する著作権保護技術(コピーガード)が使われています。
これを突破するには
- コンポーネント接続で録画する(『MonsterX U3.0R』は不可能)
- 特殊なHDMI分配器をかませる
といった方法をとる必要があります。
もしくは、『MonsterX U3.0R』の場合、最新のドライバではなく初期ドライバ(Ver1.3.13196.0)をインストールすることでも録画可能です。
ただ、公式が必要だと判断して導入した最新のドライバを無視して初期ドライバを使うくらいなら、そもそも『MonsterX U3.0R』を購入しないで、GC550などPS3の録画に対応したものを使う方がずっとスムーズです。
このため、PS3・Vitaの録画をしたいなら、他のキャプチャーソフトを使うことを推奨します。
※PS4は『HDCP』をオフにできるので『MonsterX U3.0R』でも録画できます。
■(参考)GC550についての詳細記事
デメリット③ PCの性能が足りないと高画質録画は困難
上にも書いたが、高画質の1080p×60fpsで録画する場合はPCにメーカー推奨スペックくらいのものが求められます。
■『MonsterX U3.0R』メーカーの推奨スぺック
©SKnet corporation
このスペックがない場合は720p/30fpsなどで録画する必要があります。
『MONSTERX U3.0R』のまとめ
MonsterX U3.0Rは、ニンテンドースイッチの録画に必要な機能を網羅している割に、値段が手頃です。
ただ一方で、PS3・Vitaなどの録画に向かない、といったデメリットもあります。
MonsterX U3.0Rでの対応可能/困難ゲーム機分類
■対応可能
- ニンテンドースイッチ
- PlayStation 4
- Xbox One
- Xbox 360
- Wii U
■対応困難
- PlayStation 3
- PlayStation 2
- Wii
※3DSは接続端子がないため、改造しない限りあらゆる動画キャプチャソフトで録画不可能です。
このため、
『スイッチの録画ができればOK!PS3などは録画するつもりなし!』
というかたは、このキャプチャーボードを選ぶといいと思います。
そして、早めに録画できる環境を整えて、Youtubeなりニコニコ動画に動画をアップしてください。
いろいろ悩んでいても時間だけが過ぎていきます。
どんなにいい動画でも、旬を逃したら誰も見ません。逆に、多少不格好でも、旬のゲームなら一定の数の人には見てもらえます。
そして誰かに見てもらえたら、見た人からのコメントをもとに
- 『次はどういう動画を作るか』
- 『どういう点がウケたか』
を考えていけばOKです。
最初は不格好でも、ひたすら数をこなし、実践のすることが重要です。悩んで時間をかけるより、速度を重視しよう。
ゲーム実況は遅すぎると意味がありません。
※ドスパラはあまり利用しない人もいると思いますが、キャプチャボードについてはPCの周辺機器という扱いなので、PCが本職のドスパラはかなり強いです。
コメント