ニンテンドースイッチ(Nintendo Switch)でのゲーム実況動画を録画したい人向けに、ニンテンドースイッチの録画に使えるキャプチャーボード『GC550』の特徴・使用前の注意点と『GC550』を使った動画配信の流れ・使いかたを紹介します。
順番としては、
- スイッチのゲーム実況に必要なキャプチャーボードの条件
- GC550の特徴・注意点
- GC550を使った動画配信の流れ
の流れで説明します。
動画配信の流れ(使い方)より条件や注意点の説明が先のため、序盤は読むのがかったるいかもしれません。申し訳ありません。
ただ、ここを満たしていないと『機能に期待して買ったけどそもそも使えない』という悲劇が起きる可能性があるので、先に説明していきます。
なお、あくまでもあまりゲーム実況をやってみたことがない人向けに説明するので、細かいスペックとかは紹介しません。正直、スペック紹介はやるとキリがないし、やってみる前から細かいスペック気にしても仕方ないと思います。
ゲームのプレイ同様、ニコニコ動画やYoutubeでのゲーム実況もやってみて覚えるものです。細かいところに悩むくらいなら、まず試してみたほうがいいと思います。慣れるって大事。
ニンテンドースイッチのゲーム実況に必要な前提条件
- (絶対条件)HDMI接続であること
- (生放送するかもしれないなら)ソフトウェアエンコーダーであること
- (高画質で配信したいなら)1080p/60fpsの録画対応していること。
ここだけみると『?』が渦巻いていると思いますが、さっくり説明するので軽く聞いてください。
条件① HDMI接続であること
理由は、ニンテンドースイッチがHDMI接続しか対応していないからです。キャプチャーボードはコンポーネント接続(赤色、青色、緑色の線のやつ)しか対応していないものもあるが、あれはダメです。
HDMI接続に対応していることは絶対条件です。
条件② ソフトウェアエンコーダーであること
これは、生放送(ライブ配信)する可能性がある場合に必要です。
では、このソフトウェアエンコーダーとはなにか。
説明します。
ただ、この説明にあたり、すこしだけ動画キャプチャの仕組みを知っておかないといけません。
さくっと読んでください。
■動画キャプチャの仕組み
- ゲームの動画をキャプチャボードで加工する。
- そのデータをPCに送る。
- 上のキャプチャボードで録画したままのデータではデータ量が大きすぎるので、データを圧縮(エンコード)する。
- 圧縮した録画データをPCに保存する。
これが動画をキャプチャする仕組みです。
そして、ソフトウェアエンコーダーってなに?というと、
この上の流れで言う、3番のデータ圧縮(エンコード)をPCで行うものがソフトウェアエンコーダーです。反対に、キャプチャボードでエンコードするものをハードウェアエンコーダーといいます。
それぞれ特徴は次の通りです。
■ソフトウェアエンコーダーの特徴
【メリット】
PCでのゲーム画面⇔実際のプレイ操作間でのタイムラグが少ない。
【デメリット】
PC側でエンコード(データ圧縮)するので、
高画質の動画を撮る場合、PCにも相応のスペックが要求されます。
■ハードウェアエンコーダーの特徴
【メリット】
データ圧縮(エンコード)をキャプチャーボードで行うので、
PCのスペックがあまりよくなくてもゲーム動画の録画ができます。
【デメリット】
キャプチャーボードでエンコード(圧縮)までするので、
PCにデータが送られてくるまでに時間がかかります。結果としてタイムラグがかなり発生します。
メリット・デメリットありますが、ライブ配信(生放送)をする可能性があるなら、
ソフトウェアエンコード一択です。
タイムラグが少ないからです。
実況と実際のゲーム画面にタイムラグがある動画なんか見たいでしょうか?
たとえば格闘ゲームでタイムラグがあるとこんな実況動画になります。
- 強敵とのバトル。
- 実況者も相手もお互いに体力が減り、勝つか負けるかぎりぎりになる。
- 視聴者も『どうなるか』とハラハラ見守る。
- そんな相手との最後の接触前。突然「勝ったー!やりました!」と実況が入る。
- 視聴者、ポカーン。
- そのあとに相手が倒れる動画が流れる。
説明の必要もないかもしれないですが、これはタイムラグにより画像が遅れ、実況者の音声だけが先に届くことによっておこる現象です。こんな動画を見たら、視聴者は興覚めもいいところでしょう。
だから生放送・ライブ配信するならソフトウェアエンコーダー一択になります。
なお、生放送を「やるかどうかわからない」って場合は、やる可能性があると思っておけばいいんじゃないでしょうか。
あとで「やってみたい」と思っても対応していないと色々大変なので。
ちなみに何でも屋のGC550はソフトウェアエンコードもハードウェアエンコードも対応しているので、これを買うならどちらでも大丈夫です。
【補足1】
ソフトウェアエンコーダーは高画質の動画を撮るには相応のPCスペックが必要という点がありますが、PCのスペックが足りないときは画質を落とせばいいと思います。
画質を落とさざるを得ないのは残念ですが、タイムラグが起きるよりはだいぶましです。
【補足2】
生放送・ライブ配信をしない場合は、音がずれてもあとで合わせられるのでタイムラグがあってもまだなんとかなります。この場合はハードウェアエンコーダーを考えてもいいんじゃないでしょうか。
条件③ 1080p/60fpsの録画に対応していること
1080p/60fpsの録画に対応していると『フルHDの高画質』かつ『ぬるぬる動く』動画が撮れます。
- 1080p:フルHD画質の録画
- 60fps:1秒間に60コマ録画
※fpsはフレームレート(1秒間当たりのコマ数)のこと。
GC550は1080p/60fpsにも対応しています。これに対応しているキャプチャーボードはあまりないので貴重です。
ただ、PCのスペックがある程度高くないと、この1080p/60fpsでの録画はきびしいです。PCでのデータ圧縮(エンコード)が間に合わなくて、データが欠損したりします。
PCの推奨スペックについては各メーカーのHPに書いてあります。
一応、GC550のものを参考までに載せておきます。
©AVerMedia Technologies Inc.
なお、このスペックがなくてもGC550はハードウェアエンコードに切り替えてしまえば高画質録画は可能です。ただ、タイムラグがでるのでこれはあまりおすすめしません。
それより、録画の質を1080p/60fpsから720p/30fpsなどに一段階落とすほうがおすすめです。動画の画質は落ちますが720p/30fpsならたいていのPCで問題なく録画できます。そして720p/30fpsでたいていの場合、問題はありません。
■720p/30fpsで問題のない理由
【720p(画質)について】
見たほうが早いので、比較動画を載せます。この動画を見て、「1080pじゃないとだめだ!」という人以外は720pで大丈夫です。
なお、Youtubeでの再生画質は自動調整だと360pや480pになります。下の比較動画をみるときは画面下の歯車マークを押して、最高画質の『1080p』に上げてから見てください(スマホからだとそもそも画質をあげられず、480pくらいに固定かもしれません)。
【30fps(フレームレート=コマ数)について】
これも動画を見たほうが早い。
ニンテンドースイッチの録画に必要なキャプチャーボードの条件まとめ
ここまでで、キャプチャーボードには次の条件が必要ということを書きました。
- (絶対条件)HDMI接続であること
- (生放送するかもしれないなら)ソフトウェアエンコーダーであること
- (高画質で配信したいなら)1080p/60fpsの録画対応していること。
重要なのは、HDMIとソフトウェアエンコーダーであることです。書いておいてなんですが、動画配信において1080p/60fps対応は現状ではそこまで重要ではないと思っています。
今後動画配信サービスもスペックが上がると1080p/60fpsが普通になるかもしれないので、あって困るものではないのですが。『1080p/60fpsは今後のために必要な機能』と思っておけばよいと思います。
次に、これを踏まえてGC550の特徴・注意点を説明します。
キャプチャーボード『GC550』の特徴と注意点
このキャプチャーボードの特徴は大きくわけるとメリット、デメリットでそれぞれ3つあります。
【メリット】
- ほぼすべてのゲーム機に対応
- ほとんどラグなく録画可能
- 付属の録画・配信ソフト『RECentral 3』が便利
特に大きいのは、『RECentral 3』です。正直、これ単品で売ってもいいレベルのソフトです。録画・配信ができて、非常に使いやすい。
【デメリット】
- USB2.0に対応していない
- PCの性能が足りないとちょっと制約がある。
特に、USB2.0に対応していない点は、いま使っているPCによっては致命傷になります。
無駄な買い物をしないよう、購入前に必ず確認してください。
というわけで、まずチェックしておいたほうがいいGC550のデメリット=購入前に確認しておいたほうがいい点から説明します。
『GC550』のデメリット
デメリット(購入前の確認事項)① USB2.0に非対応
『GC550』のUSB接続は、USB3.0という規格にしか対応していません。このため、いまお使いのPCがかなり古い場合は、USB接続の規格を確認してください。
ここをクリアしていないと、そもそもPCとGC550を接続できないので、買う意味がまったくなくなってしまいます。
■USB接続規格の確認方法
USB接続規格を確認する方法として一番簡単なのは、PCのUSB接続口を見てください。
青色だったら、9割方『USB3.0』です。
■USB3.0
■USB2.0
ただ、これだと100点にはなりません。やんちゃなメーカーはUSB3.0なのに接続口を青色にしていなかったりすることがあります。
そのため、次にPCでデバイスマネージャーを開いてください(※)。
※Windowsキー+Xボタンを押して開く画面でデバイスマネージャーを選びます。
そうして開いた画面で『ユニバーサルシリアルバスコントローラー』を開きます。すると、次のようにUSB 3.0なり、表示がされているはずです。
ここに、USB3.0~と書いていない場合は、残念だが『GC550』は使えません。ほかのキャプチャーボードを検討するべきです。
USB3.0~と書いている場合は問題ありません。『GC550』と接続することができます。
デメリット(購入前の確認事項)② PCの性能が足りないとちょっと制約がある。
上にも書きましたが、
- 高画質の1080p×60fpsで録画する
- ソフトウェアエンコードで録画する
この場合は『PCのスペックがメーカー推奨スペックくらいのものが必要』というのがデメリットの2つめです。
■メーカーの推奨スぺック
©AVerMedia Technologies Inc.
ただ、このスペックが無くても対処方法は2つあります。
対処方法① (推奨)画質を下げる。
PCのスペックがあまりよくなければ最高画質での録画はやめておき、中間の画質にしておけば大丈夫です(最高・良い・普通の3段階があります。これ以外にもカスタム可能です)。
- 最高:1080p/60fps
- 良い:720p/30fps
- 普通:480p/30fps
上で書いたが、720p/30fpsでも動画配信では基本問題ありません。
対処方法② (非推奨)ハードウェアエンコードにする。
GC550の設定の項目「コーデック」で「NVIDIA」「QSV」「AMD」といった項目をを選択するとGC550はハードウェアエンコードで録画できます。
ただ、この場合タイムラグが生じます。
また、動画を録画しながら過去の映像を見返せる『ライブ編集』という機能は使えません。
『GC550』のメリット
メリット① ほぼすべてのゲーム機に対応
GC550はHDMIとコンポーネント端子(赤、緑、青などの色にわかれている接続形式の端子)に対応しているため、ほぼすべてのゲームの録画ができます。
(参考)コンポーネント端子
■対応機種
【HDMI接続時】
ニンテンドースイッチ、PlayStation 4、Xbox One、Xbox 360、
Wii U【コンポーネント接続時】
PlayStation 3、PlayStation 2、Wii※PlayStation 3は専用接続線あり(同梱)
※3DSは接続端子がないため、この動画キャプチャソフトに関わらず、改造しない限りあらゆる動画キャプチャソフトで録画不可能です。
メリット② ほとんどタイムラグなく録画可能
本製品はほとんどタイムラグなくPCに録画が可能です。
ただ、次のような使い方をするとさすがに負荷が重くなり、タイムラグが発生します。
- 1080pの高画質で動画を録画
- 過去の映像を見返せる『ライブ編集』機能を使用
このようなときは、パススルー機能を使うとよいです。
■パススルー機能
©AVerMedia Technologies Inc.
上のようにつなぎ、TV画面にもゲーム画面を表示させられる機能です。TV画面では遅延なくゲーム画面が表示されるので、快適にゲームをプレイできます。
メリット③ 専用の録画・配信ソフト『RECentral 3』が超便利。
©AVerMedia Technologies Inc.
『GC550』には専用ソフト『RECentral 3』がついてきます。
録画もYoutube、ニコニコ動画への配信もこのソフトでできます。UI(ユーザーインターフェース)がかなりわかりやすいので、特に動画配信が初めての方におすすめです。
基本的な使い方としては、画面左上の3つのボタンを選択して操作します。
©AVerMedia Technologies Inc.
- 【録画/ライブ配信(左の●マーク)】:録画・ライブ配信の設定など
- 【ファイル管理/シェア(右下のフォルダマーク)】:保存したファイルの管理やYoutubeなどへの配信
- 【設定(右上の歯車マーク)】:マイクの設定など
録画はホーム画面右下のRECボタンを押すだけで行なわれます。
©AVerMedia Technologies Inc.
簡単です。
また、メーカー自身がこのソフトも作成しているので、マニュアルもかなり細かくわかりやすく書かれています。
このソフトがあるおかげで、GC550では別途動画キャプチャ用ソフトを準備したり動画アップロードに苦労しません。かなり大きいメリットだと思います。
GC550を使った配信の流れ
長くなりましたが、最後にGC550を使った配信の流れをさくっと説明します。
『GC550』を使ったゲーム実況動画配信の流れ
- HDMIケーブルで繋げる(※)。
- 『RECentral 3』で録画品質の設定をする。
- RECボタンを押して録画する。
- 録画が終わったら、『RECentral 3』のファイル管理/シェアの中に録画されたファイルができる。
- (編集が必要なら)作られたファイルを編集ソフト(おすすめフリーソフト:AviUtl)で編集する。
- 編集した動画をYoutubeやニコニコ動画にアップロードする。
【ケーブルの繋げ方】
©AVerMedia Technologies Inc.
なお、GC550にはUSBケーブル、HDMIケーブルが1本ずつ標準で付いています。ただ、パススルー機能も使う場合はもう1本HDMIケーブルがいります。
パススルー機能を使う予定があるなら購入しとくといいでしょう。
HORIC ハイスピードHDMIケーブル 15m AWG24 HDM150-028GD
【その他】ゲーム実況用マイクについて
キャプチャーボード以外にゲーム実況に必要なモノとして、あとはマイクがあります。
好みは多々あるので好きなものを使えばいいと思いますが、一応私が使っているものを紹介すると、『G231』というものを使っています。
音割れやノイズが入りにくいので気に入っているのでよければ試してみてください。
Logicool ロジクール G231 Prodigy ゲーミングヘッドセット G231
まとめ
長くなりましたが、今回はGC550の特徴や使い方についてまとめました。
GC550はちょっと値段ははりますが、
- 『とりあえずこれがあればなんとかなる』
- 『どんなゲーム機にも対応している』
- 『キャプチャーボードに必要な機能をだいたい網羅している』
- 『初心者にも使いやすい』
という万能型のキャプチャーボードです。
これからゲーム実況をやってみたいかたは、とりあえずこれを選んでおけばいいと思います。
あまり安いものを買うと、あとで『機能が足りない!』と後悔する可能性があるからです。
そして環境を整えたら、とにかく早く動画をアップしよう。最初は100点なんか目指さなくていいです。とにかく実践するべきだと思います。
ゲーム実況はやると奥が深くてやること満載なので、やってみたいなら早めに環境を整えてどんどん実践していった方がいいです。
「どんな機器を使おうか」って迷っている暇があるなら、
- 「どうやってファンを獲得するか」
- 「どうやって視聴者を楽しませようか」
という事に頭を使うべきです。そしてどんどん実践する中でスキルを向上させていけばいいと思います。
実践しないで迷っているだけではいつまで経っても視聴者は増えないし、スキルも向上しません。
迷っているうちにライバル達はどんどん動画をアップしていきますので、行動はお早めに。
GC550
※GC550はPCの周辺機器扱いなのでPCショップのドスパラはなかなか強いです。ただ、調べたところ楽天・Amazonもなかなかお得でした。好きなところで見てみればいいと思います。
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